天気図や衛星写真で見る台風は、大きなうずの形をしています。日本のある北半球では、台風のまわりの風は、上から見ると反時計回りに中心へ向かって吹き込みます。
でも、空気がただ回っているだけではありません。暖かい海、水蒸気、雲、そして地球の自転が関わって、巨大なうずが育ちます。順番に見ていきましょう。

台風は、暖かい海の上で育つ低気圧
低気圧(ていきあつ)とは、まわりより空気が押す力、つまり気圧が低い場所です。台風は、熱帯の暖かい海でできる低気圧が発達したものです。
暖かい海では、海水が水蒸気になって空気へ上がりやすくなります。水蒸気をたくさんふくんだ空気が上へ上がると、積乱雲(せきらんうん)という大きな雲が次々にできます。
気象庁によると、こうした積乱雲がたくさんまとまると、うずを作り、中心の気圧が下がって熱帯低気圧へ発達します。その風がさらに強くなったものを、日本の周りでは台風と呼びます。
空気は中心へ集まり、まっすぐには進まない
気圧が低い中心の近くへは、まわりから空気が入ろうとします。水を流したときに、低いほうへ流れていく様子を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
ところが、地球は自転しています。北半球で動く空気には、その影響で進む向きが右へ少し曲がる性質があります。気象の学習では、この働きをコリオリの力と呼びます。
中心へ向かう空気が少しずつ曲がるため、空気はまっすぐ飛び込まず、うずを巻きながら中心へ近づきます。日本では、これが上から見ると反時計回りの風になります。

同じではありません。地球の自転の影響で、南半球の低気圧のまわりの風は、北半球とは反対向きになりやすいです。この記事の「反時計回り」は、日本がある北半球の話です。
雲ができるときの熱が、上へ上がる空気を助ける
上空へ上がった水蒸気は、冷えて小さな水のつぶになり、雲になります。この変化を凝結(ぎょうけつ)といいます。
水蒸気が雲になるときには、まわりへ熱が出ます。その熱で上へ上がる空気が強くなり、また暖かく湿った空気が中心へ集まりやすくなります。こうして台風は、暖かい海から力を受けて発達します。
海の水蒸気が続けて届かなくなると、台風は力を失います。陸に上がったあとに弱まりやすいのは、水蒸気の補給が減り、地面とのこすれでも力を失うためです。
台風の目は、いちばん風が強い場所ではない
衛星写真で中心に丸いすき間のように見えることがあります。これが台風の目(め)です。気象庁は、目のすぐ近くは比較的風が弱い一方、そのまわりが最も風の強い地域になると説明しています。
目に見える晴れ間があっても、台風が終わったわけではありません。通り過ぎたあとは反対向きの強い風が吹くことがあるため、外へ出ず、気象庁や自治体の情報を確かめましょう。
台風の道すじは、毎回同じではない
台風は自分だけで好きな方向へ動くのではなく、上空の風や周りの気圧の配置に動かされます。夏には太平洋高気圧のまわりを北へ進み、日本へ近づく台風もあります。
気象庁の1991〜2020年の平均では、台風の発生・日本への接近・上陸は7月から10月に多くなります。ただし、いつ、どこへ進むかは台風ごとに違うので、予報を見て確かめることが大切です。
今日のポイント
- 台風は、暖かい海の上で発達する低気圧です。
- 日本のある北半球では、台風の風は反時計回りに中心へ吹き込みます。
- 空気が中心へ集まり、地球の自転の影響で少し曲がるため、うずの形になります。
- 暖かい海からの水蒸気と、雲ができるときの熱が、台風の発達に関わります。
- 台風が近いときは、外の様子を見に行かず、最新の防災情報を確認します。
ぐるぐる回る雲の形には、海と空気と地球の動きがつながっています。次に天気図を見るときは、中心へ集まりながら曲がる空気を想像してみてください。
よくある質問
台風はいつも反時計回りですか?
日本がある北半球では反時計回りです。南半球では、地球の自転の影響が反対向きになるため、低気圧のまわりの風も反対向きになりやすいです。
台風の目に入ると安全ですか?
目の近くは風が弱いことがありますが、台風が去ったわけではありません。目のあとには風向きが反対の強い風が吹くことがあるので、避難や安全確認は自治体・気象庁の情報に従ってください。
台風が陸に来ると弱くなるのはなぜですか?
暖かい海からの水蒸気が届きにくくなり、地面とのこすれでもエネルギーを失うためです。ただし、弱まっても強い雨や風が残ることがあるので注意が必要です。
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