だいち
先生、田沼意次(たぬま おきつぐ)って、「悪い政治家」って言われてるけど、ほんとに悪い人だったの?
先生
いい質問だね!田沼意次は、江戸時代の政治家で、商売の力を使って国を豊かにしようと考えた人だよ。でも、お米がとれなくなる「ききん」が起きたり、役人のわいろ事件が増えたりして、「悪い政治家だ!」と言われてしまったんだ。
田沼意次は、新しい考えを持ったリーダーでしたが、天明のききん(大きな食べ物不足)や役人の不正行為が原因で、悪いイメージがついてしまいました。
だいち
でも、ききんって天気のせいだよね?田沼さんのせいじゃないじゃん!
先生
そのとおり!いまでは、「運が悪かっただけだね」と考える人も多いんだよ。むしろ、「未来を見ていたすごい政治家」だと評価されることが増えているんだ!
この記事では、田沼意次がどんな人だったのか、なぜ「悪い政治家」と言われたのか、そしていまはどう評価されているのかを、小学生にもわかるようにやさしく解説します!
田沼意次(たぬま おきつぐ)とは?どんな人?
だいち
先生、田沼意次ってどんな人なの?名前は歴史の教科書で見たけど、何をした人なのかは知らないなあ。
先生
いい質問だね!田沼意次は江戸時代の政治家で、「商売を使って国を豊かにしよう」と考えた新しいタイプのリーダーだったんだよ!それまでの政治とはちょっと考え方が違ったんだ。
📜 田沼意次の基本情報
名前 | 田沼意次(たぬま おきつぐ) |
---|
生まれた年 | 1719年(江戸時代中ごろ) |
亡くなった年 | 1788年 |
役職(やくしょく) | 老中(ろうじゅう)=江戸幕府のトップクラスの政治家 |
田沼意次は、江戸幕府の「老中(ろうじゅう)」というトップクラスの政治家でした。
「老中」というのは、**いまで言う「総理大臣のような役職」**と考えるとわかりやすいですね。
🧑🏫 田沼意次はどんな人?
田沼意次は、「商売(しょうばい)の力を使って、江戸の町や国をもっと豊かにしよう!」と考えた新しいタイプの政治家です。
それまでの政治は、「農業を大事にする」という考えが中心でした。
でも、田沼意次は、**「農業だけじゃなくて、商売も活用しよう!」**と考えたのです。
だいち
「商売を使って国を豊かにする」ってどういうこと?
先生
いい質問だね!たとえば、船で物を運ぶ「海の運送ビジネス」を増やすとか、「お金を払えば商売をしていいよ」という許可証を売るといった方法だよ。これによって、商人(しょうにん)たちが元気になると、国もお金持ちになると考えたんだ!
🏯 田沼意次の仕事のやり方は?
田沼意次のやり方は、「お金の力を使った経済の発展」がポイントです。
これまでの政治は「年貢(ねんぐ)をたくさんとる」という方法が中心でしたが、田沼意次はそれに「商売のちから」をプラスしました。
田沼意次が行ったおもな仕事
- 商売をするための「許可証(きょかしょう)」を売る
→ 商人に「これで商売していいよ」という許可を出して、その代わりにお金をもらう仕組みです。 - 海の運送を強化する
→ 船を使っていろんな場所から商品を江戸に運べるようにしたんだよ。これで商人の商売がもっと活発になったんだね! - 鉱山(こうざん)を増やして金や銀をとる
→ 金や銀が取れれば、お金の量が増えるので、国のお金が足りなくなるのを防げます。
だいち
なるほど!たしかに、物がたくさん売れたらお金が増えるし、国も豊かになるね!
先生
そうだね!いまで言うと、「商売の力を使った経済の成長」を目指した人だと言えるね。**田沼意次は、江戸時代の「経済リーダー」**だったんだよ!
📝 この章のまとめ
- 田沼意次は、江戸時代の政治家で、「老中(ろうじゅう)」というトップクラスの役職についていました。
- 「農業だけじゃなく、商売も活用して国を豊かにしよう」と考えた新しいタイプの政治家です。
- 商売の許可証を売ったり、海の運送を強化したり、鉱山から金や銀をとったりして、経済を発展させようとしました。
田沼意次はなぜ失敗した?悪いイメージがついた理由をわかりやすく解説!
だいち
先生、田沼意次は「悪い政治家」って言われることが多いよね。どうしてそんなイメージがついたの?
先生
いい質問だね!田沼意次が悪いイメージをもたれた理由は「ききん」や「災害(さいがい)」のせいだと言われているよ。さらに、「わいろ(お金のわたし合い)」のイメージもあったからなんだ。
📜 田沼意次が「失敗した」と言われる3つの理由
1️⃣ ききん(食べ物が不足する大きな災害)が起きた
田沼意次が政治をしていたとき、天明(てんめい)のききんという大きな食べ物の不足が起きました。
- 米がとれなくなった(寒い夏のせいで、稲が育たなかった)
- 食べ物がなくなり、人々が苦しんだ
このとき、田沼意次は**「商売の力」を使った政治をしていた**けど、
米(こめ)は商売ではどうにもならなかったんだね。
だいち
たしかに、お米がなくなったら、どんなに商売をがんばってもどうにもならないもんね…。
先生
そうだね。人々は「米がないのは田沼のせいだ!」と考えてしまったんだ。でも、実際は天気のせいで、田沼のせいではなかったんだよ。
2️⃣ わいろ(不正なお金のわたし合い)があった
「わいろ」って聞いたことある?
これは、お金やプレゼントをこっそり渡して、自分に都合のいいようにしてもらうことです。
- 田沼意次が政治をしていたとき、役人(やくにん)たちがわいろを受け取る事件が増えたんだ。
- 「商売をするための許可証を売る」という仕組みが、わいろをもらいやすくしたとも言われています。
だいち
え〜!?じゃあ、田沼意次もわいろをもらってたの?
先生
それはね、田沼意次が直接わいろをもらっていたわけではないと言われているよ。でも、部下の役人たちがわいろを受け取っていたのは本当みたいだね。
「田沼の時代はわいろがひどい時代だった」と言われたせいで、田沼意次も悪いイメージがついてしまったんだね。
3️⃣ ライバルに負けた(政治のリーダーの座をおろされた)
田沼意次は、将軍(しょうぐん)徳川家治(いえはる)から信頼されていた政治家でした。
でも、家治が亡くなったときに、次の将軍(徳川家斉・いえなり)は田沼を信じなかったんだ。
- 将軍が変わると、政治のリーダーも変わることがよくあります。
- 田沼意次は、リーダーの座(老中の役職)をおろされてしまったのです。
だいち
え〜!せっかくがんばってたのに、次の将軍に信じてもらえなかったんだね…。
先生
そうなんだよね。政治のリーダーが変わると、やり方が変わるのは、いまの総理大臣が変わるのと同じだね。
🤔 田沼意次は本当に「悪い政治家」だったの?
だいち
先生、でも、田沼意次って本当に悪い政治家だったの?
先生
いい質問だね!**実は「悪い政治家」ではなく、「新しいことをやろうとした政治家」**だと言えるよ。
- 田沼意次は、商売の力を使って国を豊かにしようとした新しい考え方の政治家です。
- でも、天気が悪くなって大きなききんが起きたり、部下の不正があったりしたため、悪いイメージがついてしまったんだね。
だいち
運が悪かっただけって感じがするなあ…。なんだか気の毒だね。
先生
その通り!いまでは、「田沼意次の考え方は、未来を見ていた」と評価されることが多いんだよ!失敗はあったけど、未来を考えたすごい政治家だったんだね。
📝 この章のまとめ
- 田沼意次は、天明のききん(お米の不足)や、役人たちのわいろ事件が原因で「失敗した」と思われてしまいました。
- さらに、将軍が変わったことで、政治のリーダーの座をおろされてしまいました。
- でも、田沼意次は「商売を使った新しい政治」をやろうとしたすごい政治家でした。
- いまでは「運が悪かっただけで、考え方はすごかった」と評価されることも多いです。
田沼意次が行った「商売の政治」ってどんなこと?
だいち
先生、田沼意次は**「商売を使った政治」**をしたって言ってたけど、くわしく教えて!何をやったの?
先生
いい質問だね!**田沼意次の政治のポイントは、「商売を活用して国のお金を増やす」**という考え方だよ。いまの時代で言うと、お店を増やしたり、企業に仕事を増やしてもらうようなイメージかな。
📚 田沼意次の「商売の政治」のやり方3つ
1️⃣ 商売の「許可証(きょかしょう)」を売る
- 商売をするためには、**「商売していいですよ」という許可証(きょかしょう)**が必要でした。
- 田沼意次は、この許可証を売ってお金を集める仕組みを作りました。
- お金をもらう代わりに、商人(しょうにん)は自由に商売ができるようになるというわけです。
だいち
え?商売するのにお金を払わないといけないの?なんかちょっとズルい気もするなぁ…
先生
たしかにそう感じるかもね。でも、**この仕組みは「税金をとるのと同じ」**だよ!いまで言うと、新しくお店を開くときに必要な「営業許可(えいぎょうきょか)」のようなものなんだ。お金を集めることで、国のお金が増えるから、お米をとる年貢(ねんぐ)だけに頼らなくてもよくなるんだね。
2️⃣ 鉱山(こうざん)を増やして、金や銀をたくさんとる
- 田沼意次は、鉱山をもっと増やして、金(きん)や銀(ぎん)をたくさんとろうと考えました。
- 金や銀は、お金を作る材料になります。
- これによって、お金の量を増やすことができると考えたんです。
だいち
え〜、じゃあ、お金をいっぱい作れば、国が金持ちになるってこと?
先生
いい質問だね!たしかに、**金や銀が増えれば「お金の量が増える」から、国のお金が足りなくなるのを防ぐことができるんだよ!いまで言うと、「日本銀行がたくさんのお金を発行する」**のと似ているね!
- でも、金や銀をたくさんとるのは時間がかかるし、簡単な仕事じゃなかったんだ。
- だから、思ったほどたくさんはとれなかったのが現実です。
3️⃣ 海の運送(うんそう)を強化して、物の売り買いをもっと活発にする
- 船を使って、いろんな地域から商品を江戸に運ぶしくみを強化しました。
- これによって、たくさんの物が江戸に集まるようになり、商売がもっと活発になりました。
- いまで言うと、「物流(ぶつりゅう)を強化する」という感じです。
だいち
あ!たとえば、Amazonのトラックがたくさん走ると、商品が早く届くようになるのと同じ感じかな?
先生
そうそう!たくさんのトラックが動けば、商品がたくさん売れるよね!それと同じで、船をたくさん動かすことで、いろんな地域の商品が江戸に集まるようになったんだ。これで、商人たちのビジネスがもっと元気になったんだね!
📝 田沼意次の「商売の政治」のまとめ
- 許可証を売ることで、商売を活発にして国にお金を集めた
- 鉱山を増やして金や銀をとり、国のお金を増やそうとした
- 海の運送を強化して、いろんな商品を江戸に集め、商売を活発にした
だいち
なるほど!田沼意次は、江戸の経済を「商売」で元気にしようとした人だったんだね!
先生
その通り!**それまでの政治は「お米」に頼っていたけど、田沼意次は「商売の力も使おう!」**と考えたんだよ。いまで言うと、企業を元気にして国を発展させる「経済政策」を行った人だね!
田沼意次の政治が、いまの時代にどんな影響を与えているの?
だいち
先生、田沼意次の考え方って、いまの時代にも関係あるの? 江戸時代の話だし、昔の出来事で終わりじゃないの?
先生
いい質問だね!実は、田沼意次の「商売を活用して国を豊かにする」考え方は、いまの経済の考え方にとても近いんだよ!いまで言うと、**会社を元気にして国を発展させようとする「経済政策」**と同じ考え方なんだ!
📚 1. いまの「経済政策」と田沼意次の考え方が似ている!
だいち
えっ?田沼意次の考え方が、いまの経済と似てるの?どういうこと?
先生
そうだね。たとえば、いまの政府が「企業をサポートして、経済を元気にしよう」としている政策があるよね? それと田沼意次の考え方はそっくりなんだよ!
- 田沼意次のやり方 → 商売の力を使って国を豊かにする(商人をサポートする)
- いまの経済政策 → 企業をサポートして、働く人が増えてお金が回るようにする
どうして考え方が似ているの?
- 田沼意次は、**「商売の力を活かそう」**と考え、商人がもっと商売しやすい環境を作ったんだ。
- いまの政府も、「企業が働きやすい環境を作る」ことで、経済を元気にしようとしているんだね!
だいち
あ!たとえば、「会社がもっと仕事を増やせるように手助けをする」ってことだね!
先生
そうだね!田沼意次が考えた**「商売を活用して国を豊かにする」という考え方は、いまでも世界中の国で使われている**よ。江戸時代の考え方なのに、いまでも役に立つって、すごいよね!
📚 2. いまの「物流(ぶつりゅう)」の考え方にも似ている!
だいち
物流って…たしか、トラックや船で商品を運ぶ仕組みのことだよね?
先生
そうだね!いまの物流の考え方も、田沼意次の「海の運送を強化する」考え方と似ているよ。いろんな場所から江戸に商品を運べるようにしたのが、いまの物流のスタートだと言えるね!
どうして物流の考え方と似ているの?
- 田沼意次は、船をたくさん動かして、全国から商品を江戸に集めるしくみを作ったんだ。
- いまで言うと、Amazonがトラックや飛行機を使って、いろんな商品を全国に届けるしくみに似ているよね。
だいち
たしかに、いまはいろんな商品が全国からすぐに届くけど、それって田沼意次の考え方が元になってるのかもね!
先生
その通り!江戸時代に、物を「いろんな場所から運んで集める」という物流の考え方をスタートさせたのが田沼意次なんだよ。いまの**「全国配送」や「スピード配達」の仕組みのヒントにもなっている**んだね!
📚 3. 田沼意次の「チャレンジする精神」がいまも大事!
だいち
チャレンジする精神?どういうこと?
先生
田沼意次は、それまでの「農業だけの政治」から、「商売も活用しよう」という新しい挑戦をしたんだ。チャレンジする精神があったからこそ、新しいことができたんだね!
- いまで言うと、新しいビジネスを始める「スタートアップ企業」のような挑戦だね!
- いまの社会では、新しいことにチャレンジする人が評価されることが多いよね。
だいち
たしかに、いまは新しいアプリを作ったり、AIを使った仕事をする人たちが「すごい!」って言われてるもんね!
先生
そのとおり!田沼意次も、**江戸時代の「チャレンジ精神を持ったリーダー」**だったと言えるね。失敗することもあったけど、新しいことに挑戦する気持ちを持ち続けたことがすごいんだ!
📝 この章のまとめ
田沼意次の考え方は、いまの時代にも生きています!
- 商売を活用して国を豊かにしようという考え方は、いまの経済成長の考え方に似ています。
- 物流の考え方にも影響があり、全国から商品を集める仕組みをスタートさせたのは田沼意次の政策がきっかけです。
- チャレンジ精神も、いまの時代に大事な考え方として、新しい挑戦をする人が評価されるのと同じです!
だいち
すごいなぁ!田沼意次の考え方が、いまの時代の「経済の仕組み」や「物流のしくみ」にもつながってるなんて、びっくりした!
先生
その通り!昔の考えがいまの時代にもつながっているって知ると、歴史がもっと面白く感じられるよね!いまの世の中の仕組みも、昔の人のアイデアが元になっていることがたくさんあるんだよ!
📝 この記事のまとめ:田沼意次は「未来を見ていたすごい政治家」だった!
だいち
先生、田沼意次って**江戸時代の「商売を活かした政治家」**だったんだね!昔は「悪い政治家」って言われてたけど、いまでは「新しい考えを持ったすごいリーダー」って評価されてるんだね!
先生
その通り!田沼意次は、農業だけに頼らず、商売や物流の力を使って国を豊かにしようとした新しいタイプの政治家だったんだ。失敗したのは運が悪かったせいと言われていて、いまでは**「未来を見ていたすごい政治家」**だと評価されることが多いんだよ!
今日のポイント
- 田沼意次は、江戸時代の「老中(ろうじゅう)」というトップの政治家でした!
- 商売の力を使って国を豊かにしようとした新しいタイプのリーダーでした!
- わいろのイメージや、天明のききんが原因で「悪い政治家」と言われたけど、
いまでは「時代の先を見ていた政治家」として再評価されています! - 物流の仕組みや経済成長の考え方は、いまの時代の「経済政策」にもつながっています!
だいち
これで、田沼意次のことがバッチリわかったよ!昔の考え方が、いまの時代にも生きてるっていうのが一番びっくりした!
先生
その気づきはすごいね!歴史の出来事は、いまの時代にもつながっていることが多いんだ。これからも、昔の人の考えがいまの社会にどうつながっているのかを考えると、歴史がもっと面白く感じられるはずだよ!