木(き)や植物、食べものの残りなどを使って電気を作る「バイオマス発電(はつでん)」。
バイオマス発電は、植物など自然のものを燃やすことで電気を生み出す、環境にやさしい発電方法です。
この記事では、バイオマス発電のしくみや、どんなメリット・デメリットがあるのか、小学生にもわかりやすくやさしく説明します!
バイオマス発電って何?自然のものを使って電気を作るしくみ
バイオマスエネルギーとは?
バイオマスエネルギーとは、植物や動物などの自然のものから得られるエネルギーのことです。
木や植物、食べものの残り、動物のフンなど、土にかえせるものがバイオマスエネルギーのもとになります。
このエネルギーは再生可能エネルギーのひとつで、自然にかえることができるため、くり返し使うことができます。
バイオマス発電のしくみ
バイオマス発電では、集めた木や植物などのバイオマスを燃やして、その熱で水を温め、蒸気(じょうき)を作ります。
この蒸気の力でタービンを回し、そのタービンが発電機を動かして電気を生み出す仕組みです。
これは火力発電に似た仕組みですが、燃料が石油(せきゆ)や石炭(せきたん)ではなく、自然にかえせるバイオマスを使う点が特徴です。
バイオマス発電は、自然のものを燃やしてその熱でタービンを回し、発電機を使って電気を生み出すしくみです。
次は、バイオマス発電のメリットとデメリットについて見ていきましょう!
バイオマス発電のメリットとデメリット
バイオマス発電のいいところ(メリット)
バイオマス発電には、地球環境にとって良い点がいくつかあります。
- 温室効果ガスが少ない
バイオマス発電では、石油や石炭を燃やすのとは違って、燃やしてもCO₂が少なく、温室効果ガスをあまり出しません。地球温暖化(おんだんか)を防ぐためにも役立ちます。 - ゴミを減らすことができる
バイオマス発電では、ふだん捨てられるような食べ物の残りや、木のくずなどを使って発電ができます。ゴミを減らしながら電気が作れるので、一石二鳥(いっせきにちょう)です! - エネルギーをくり返し使える
バイオマス発電に使う木や植物は、時間がたてばまた育てることができるため、ずっと使い続けられるエネルギーです。
バイオマス発電の気をつけるところ(デメリット)
でも、バイオマス発電には気をつけるべき点もあります。
- 発電するにはたくさんの材料が必要
バイオマス発電をするためには、木や植物などたくさんのバイオマスが必要です。材料を集めるのに手間がかかり、広い土地も必要になります。 - 燃やすときに少しCO₂が出る
石油や石炭に比べると少ないけれど、バイオマスを燃やすときに少しだけCO₂が出るため、完全にCO₂がゼロというわけではありません。 - 費用がかかることもある
材料を集めたり、バイオマスを燃やすための設備(せつび)を作るのに費用がかかることもあります。
バイオマス発電は、地球にやさしくゴミも減らせる一方、材料集めや設備に気をつける必要もあります。
次は、他の再生可能エネルギーとの関係について見てみましょう!
バイオマス発電とほかの再生可能エネルギーの仲間たち
再生可能エネルギーの仲間たち
バイオマス発電のほかにも、再生可能エネルギーにはいろいろな種類があります。
- 風力発電(ふうりょくはつでん)
風の力で風車(ふうしゃ)を回して電気を作る方法です。風がよくふく場所で発電します。 - 太陽光発電(たいようこうはつでん)
太陽の光をソーラーパネルで受けて電気を作る方法です。晴れた昼間に発電することができ、家庭でも広く使われています。 - 水力発電(すいりょくはつでん)
川やダムの水が流れる力を使って発電する方法です。安定して電気を作れるため、日常の生活を支える役割をもっています。 - 地熱発電(ちねつはつでん)
地面の中にある熱を使って電気を作る方法です。地球の内部にある熱を使うため、天気に影響されず、安定して発電できるのが特徴です。
バイオマス発電と再生可能エネルギーの役割
再生可能エネルギーは、それぞれの特徴を生かして、環境にやさしく電気を作るために役立っています。
バイオマス発電は、植物や食べものの残りを使っているので、ゴミを減らしながら電気を作れるのが特徴です。
これらの再生可能エネルギーをうまく組み合わせて、地球を守りながら電気を作っていくことが大切です。
バイオマス発電は、ほかの再生可能エネルギーと一緒に、地球の未来を守るために大切な役割を果たしています。
バイオマス発電がもっと広がるための工夫
バイオマス発電がもっと広がるために、いくつかの工夫がされています。
- 地域の資源を使う
バイオマス発電では、地域で出る木や食べものの残りを使うことができます。たとえば、農業で出た不要な植物や、地元で集めた木のくずなどを燃料にすることで、地域ごとにエネルギーを作る仕組みが増えています。 - 効率のよい燃焼(ねんしょう)技術
新しい技術によって、燃やすときの温度や方法を工夫し、より少ないバイオマスでもたくさんの電気が作れるようになっています。これで、より少ない材料で効率よく発電ができるようになります。 - 環境を守るための対策
燃やしたときに出るCO₂をできるだけ減らす工夫や、燃焼で出る煙をきれいにするフィルターを使うことで、環境にやさしく発電できるようになっています。
バイオマス発電の未来
バイオマス発電は、環境にやさしいエネルギーとして、これからも広がっていくことが期待されています。
地域でできるエネルギーとして、自分たちのまわりにある自然の材料をうまく使っていくことが大切ですね。
バイオマス発電がもっと広がるために、地域の資源を活用したり、効率の良い技術が開発されています。
自然を大切にしながら電気を作る未来のエネルギーとして、ますます期待されています!
まとめ
バイオマス発電は、木や植物などの自然の材料を燃やして電気を作る方法です。
ゴミを減らし、環境にやさしく、くり返し使えるエネルギーとして未来への期待が高まっています。
地球の未来を守るために、バイオマス発電やほかの再生可能エネルギーについて知り、より良い未来に向けて考えていきましょう!