ウランという特別な物質を使って電気を作る「原子力発電(げんしりょくはつでん)」。
原子力発電は、大きなエネルギーを使ってたくさんの電気を作れる方法ですが、安全に使うための工夫も必要です。
この記事では、原子力発電がどんなしくみで動くのか、そして原子力発電の良いところや気をつけるべき点について、小学生にもわかりやすくやさしく説明します!
原子力発電って何?ウランを使って電気を作るしくみ
ウランがエネルギーを生み出すしくみ
ウランは、小さな「原子(げんし)」が集まってできています。
原子力発電では、このウランの原子を割ることでエネルギーを取り出しています。
ウランの原子が割れると「核分裂(かくぶんれつ)」という現象(げんしょう)が起き、大量の熱(ねつ)が生まれます。
この熱で水をあたためると、たくさんの蒸気(じょうき)ができます。
原子炉(げんしろ)の役割
原子力発電所には「原子炉(げんしろ)」という特別な部屋があって、そこでウランを使って核分裂を起こしています。
原子炉は、核分裂の時に出る強い放射線(ほうしゃせん)から外を守るために、頑丈(がんじょう)に作られています。
原子力発電は、ウランの原子を割ることで熱を作り、その熱で蒸気を生み出し、発電機を回して電気を作るしくみです。
次は、原子力発電の良いところと気をつけるところを見ていきましょう!
原子力発電のメリットとデメリット
原子力発電のいいところ(メリット)
原子力発電には、地球の環境を守るための良い点がいくつかあります。
- たくさんの電気を作ることができる
原子力発電は、ウランからとても大きなエネルギーを取り出せるため、一度に多くの電気を作ることができます。たとえば、発電所ひとつで大きな町に電気を供給(きょうきゅう)できるほどです。 - 温室効果ガスがほとんど出ない
原子力発電では、電気を作るときにCO₂などの温室効果ガスがほとんど出ません。地球温暖化を防ぐためにも役立っています。 - 燃料が少なくても長く発電できる
ウランは、少ない量でも長くエネルギーを出し続けるため、効率よく発電できる燃料なんです。
原子力発電の気をつけるところ(デメリット)
しかし、原子力発電には気をつけるべき点もあります。
- 放射線(ほうしゃせん)が出る
原子力発電では、ウランが核分裂するときに放射線が出ます。この放射線は、人体や環境に影響を与えることがあるため、原子炉や発電所の周りには安全対策が必要です。 - 使用済み核燃料の処理(しょり)がむずかしい
原子力発電で使い終わった燃料(しようずみかくねんりょう)は、長い間放射線を出し続けるため、厳重(げんじゅう)に保管(ほかん)する必要があります。このため、安全に管理するための場所や方法を考えることが大切です。 - 万が一の事故への備えが必要
原子力発電所では安全対策がされていますが、万が一の事故が起きると、放射線が外に漏れる可能性があります。これを防ぐために、発電所では日々安全な管理がされています。
原子力発電はたくさんの電気を作れる一方で、放射線や使い終わった燃料の管理などに気をつける必要もあります。
次は、原子力発電がほかの再生可能エネルギーとどのように役立っているかも見ていきましょう!
原子力発電とほかのエネルギーとの関係
ほかのエネルギーと協力して電気を作る
原子力発電のほかにも、いろいろな方法で電気を作る「再生可能エネルギー」があります。
こうしたエネルギーと協力することで、安定して電気を供給し、地球の環境を守りながら電気を作ることができるんです。
- 風力発電
風の力で風車を回して電気を作ります。風が強い場所ではたくさん電気が作れますが、風が弱いときは発電が難しいこともあります。 - 太陽光発電
太陽の光をソーラーパネルで受けて電気を作ります。昼間や晴れた日に電気を作ることができ、家庭の屋根にも使われていますが、夜や雨の日には発電ができません。 - 水力発電
川やダムの水の流れを使って発電する方法です。安定して発電できるため、日常生活を支えるために大きな役割を果たしています。 - 地熱発電
地面の中にある熱を利用して発電する方法です。地熱は季節や天気に左右されず、安定して発電できる点が特徴です。
原子力発電と再生可能エネルギーの組み合わせ
原子力発電は、天気や季節に左右されないため、再生可能エネルギーと組み合わせて使うことで、安定した電気を供給できます。
たとえば、風がない日や夜間など、再生可能エネルギーが作れないときには、原子力発電がサポートする役割を果たします。
原子力発電は、再生可能エネルギーと協力して、地球にやさしく、安定した電気を作るために役立っています。
原子力発電がもっと安全になるための工夫
原子力発電を安全にするための工夫
原子力発電がもっと安全に運用されるためには、以下のような工夫がされています。
- 強固(きょうこ)な施設づくり
原子力発電所は、地震(じしん)や津波(つなみ)などの自然災害にも耐えられるよう、頑丈(がんじょう)に作られています。原子炉や発電所のまわりには厚い壁を作って、放射線が外に漏(も)れないようにしています。 - 事故に備えた安全装置(あんぜんそうち)
原子力発電所では、万が一に備(そな)えてすぐに運転を止めることができる安全装置がついています。異常(いじょう)があったときには自動的に運転が止まり、ウランの核分裂が起きないようにできています。 - 放射性廃棄物(はいきぶつ)の管理
使い終わった燃料から出る放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)は、安全な場所で長期間保管(ほかん)されています。また、廃棄物の減らし方や安全な処理方法も研究され、少しずつ進歩しています。
技術の進歩で、さらに安全に使える新しい原子炉の研究も進んでいます。
こうした未来の原子炉は、事故が起こりにくくなるように設計されていて、より安全に使えることが期待されています。
原子力発電がもっと安全になるために、強固な施設や事故に備えた安全装置、
そして廃棄物の管理が徹底されています。
これからもさらに安全な技術が進んでいくことが期待されています。
まとめ
原子力発電は、ウランという燃料を使って核分裂(かくぶんれつ)をおこし、その熱で電気を作る方法です。
たくさんの電気を作れる一方、安全対策や放射性廃棄物の管理が必要になります。
地球の未来を守りながら、安心して電気を使えるために、原子力発電や安全技術についての理解を深めていきましょう!