地面の中にある「熱」を使って電気を作る「地熱発電（ちねつはつでん）」。
地熱発電は、地球の中にあるあたたかいエネルギーを使って、環境にやさしい電気を作る方法です。
この記事では、地熱発電がどんなしくみで動くのかや、地熱発電の良いところと気をつけるべき点について、小学生にもわかりやすくやさしく説明します！
地熱発電って何？地面の中の熱で電気を作るしくみ
地熱エネルギーって何？
地熱エネルギーとは、地球の内部（ないぶ）にあるあたたかいエネルギーのことです。
地球の中心はとても高い温度になっていて、その熱が地面の下に広がっています。
この熱を「地熱」と言い、地熱発電では、この熱を使って電気を作ります。
地熱発電のしくみ
地熱発電では、地面の下にある熱い水や蒸気（じょうき）を利用します。
地面の深いところには熱であたためられた水がたまっていて、それが高い圧力（あつりょく）で蒸気になっています。
この蒸気をパイプでくみ上げて、タービンという大きな羽根を回し、発電機（はつでんき）につないで電気を作るしくみです。
地熱発電は、地面の下にある熱を使って蒸気を作り、タービンを回して電気を生み出すしくみです。
次は、地熱発電のメリットとデメリットについて見ていきましょう！
地熱発電のメリットとデメリット
地熱発電のいいところ（メリット）
地熱発電には、地球環境を守るための良いところがいくつもあります。
- 温室効果ガスを出さない
地熱発電は、石油や石炭（せきたん）のように燃やす必要がないため、温室効果ガスを出しません。そのため、地球温暖化を防ぐのに役立ちます。 - 安定して電気を作れる
地熱発電は、地球の熱を使うので、天気に左右されません。雨の日や夜でも安定して電気を作ることができます。 - エネルギーがずっと使える
地球の中の熱はなくならないため、長い間、エネルギーとして利用できます。化石燃料（かせきねんりょう）とちがって、ずっと使える点が地熱エネルギーの大きな特徴です。
地熱発電の気をつけるところ（デメリット）
でも、地熱発電にはいくつかのデメリットもあります。
- 場所が限られる
地熱発電は、地熱が豊富な場所、たとえば温泉地（おんせんち）や火山が近いところでしかできないため、どこにでも作れるわけではありません。 - 設備（せつび）の建設にお金がかかる
地熱発電を始めるためには、地面の深いところまで掘（ほ）る設備が必要で、多くのお金がかかります。また、設置するまでに時間もかかります。 - 環境への影響もある
地熱発電で蒸気を取り出すと、周辺の温泉が出にくくなったり、自然環境に影響を与えることもあるため、慎重に計画する必要があります。
地熱発電は、地球にやさしく、安定して電気を作れる方法ですが、場所の選び方や建設の費用に気をつける必要もあります。
次は、地熱発電がどのように再生可能エネルギーとして活用されているのか見てみましょう！
地熱発電とほかの再生可能エネルギーの仲間たち
再生可能エネルギーの仲間たち
地熱発電のほかにも、再生可能エネルギーにはいくつかの仲間があります。
- 風力発電（ふうりょくはつでん）
風の力で風車（ふうしゃ）を回して電気を作る方法です。風がよくふく場所で発電します。 - 太陽光発電（たいようこうはつでん）
太陽の光を使って電気を作る方法です。昼間、晴れの日に発電できるため、家庭の屋根にも使われています。 - 水力発電（すいりょくはつでん）
川やダムの水が流れる力を使って発電する方法です。安定して電気を作れるため、日常の生活を支えています。 - バイオマス発電
木や植物など、自然にかえせる材料を燃やして電気を作る方法です。リサイクルできる材料を使うため、環境にやさしいとされています。
地熱発電と再生可能エネルギーの役割
再生可能エネルギーは、それぞれの特徴を生かしながら、環境にやさしい電気を作るために役立っています。
地熱発電は、風や太陽のように天気に左右されないため、再生可能エネルギーのなかでも安定した発電ができる点が特徴です。
これらのエネルギーをうまく組み合わせることで、地球環境を守りながら電気をたくさん作ることができます。
地熱発電は、ほかの再生可能エネルギーと一緒に、地球の未来を守るために大切な役割を果たしています。
地熱発電がもっと広がるための工夫
地熱発電をもっと使いやすくするため、次のような工夫が進められています。
- 小規模（しょうきぼ）地熱発電の活用
大きな施設だけでなく、小さな温泉地（おんせんち）や地域でも地熱発電ができる「小規模地熱発電」の取り組みが増えています。これにより、地域ごとに自然の力を活用して電気を作れるようになります。 - 環境にやさしい発電技術の開発
地熱発電が環境に影響をあたえないように、周辺の温泉に影響を与えずに熱だけを取り出す技術や、地下の水をくり返し使う方法が進められています。これで、自然環境を守りながら地熱発電ができます。 - 電気をためるバッテリーの利用
地熱発電の電気をためておけるバッテリーの開発も進んでいます。これにより、電気が余ったときにためておいて、必要なときに使えるようになります。
地熱発電の未来
地熱発電は、環境にやさしい再生可能エネルギーとして、これからも期待されています。
技術の進歩でさらに効率よく、環境にやさしく電気を作れるようになれば、世界中で地熱発電が広がっていくでしょう。
地熱発電をもっと広げるために、新しい技術や環境に配慮した工夫が進められています。
これからも自然を守りながら電気を作る、未来のエネルギーとして期待されています！
まとめ
地熱発電は、地面の中にある熱を使って安定して電気を作る方法です。
再生可能エネルギーのひとつとして、地球にやさしく、長く使えるエネルギーとして期待されています。
- 地熱発電のしくみ：地面の中の熱で蒸気を作り、その力でタービンを回して発電
- メリット：温室効果ガスを出さない、天気に左右されず安定して発電できる
- デメリット：場所が限られる、設備にお金がかかる
- 工夫：小規模地熱発電や環境にやさしい技術の開発
地球のエネルギーを上手に使いながら、未来のために役立つ地熱発電についてもっと知っていきましょう！
